社会館の濡れ縁・縁側

請西南台分園「佐平館」 

① 請西南台分園「佐平館」 元々30センチ幅だった縁側を1,8㍍幅に拡張
① 請西南台分園「佐平館」 元々30センチ幅だった縁側を1,8㍍幅に拡張

② 社会館保育園本園の濡れ縁


 雨の時には濡れることがある。濡れ縁は晴れの日の食堂。先に食べ終わった未満児達が昼寝前の一遊び。「自分も遊びたいな」と思いながら箸を動かす3歳児達。3歳以上児達が外に出てくる頃には、未満児達はお部屋で昼寝。3歳児もすぐ昼寝。室内でも室外でもない濡れ縁が、子供達の心をくすぐり安心させてくれる。

 

日本の家の出入り口は4種類です。①お客様用の正面玄関②家族用の脇玄関③台所・風呂場などの裏口④濡れ縁・縁側。

濡れ縁・縁側は、出入り口というよりも応接の接点であった。客間に上がるほどでもないが立ち話にはどうかという用件が、縁側でこなされた。ちょっと立ち寄ってお茶をやって頂くにも、濡れ縁は活用された。座敷に上がらずに、土足の儘ちょっと座って話ができるのが濡れ縁・縁側の便利さの理由だった。お客と話していることが、外に丸見えというのも、そこでの用件の軽重を知らせているという点で、微妙に有効であった。

 社会館関連施設には縁側・濡れ縁が多い。そこは、内外の接点として家の内外を出たり入ったりする子供達の中間地帯となる。雨が降ると濡れてしまうが晴れると太陽が燦々と降り注ぐ。通路が主用途だが、食事の場、作業・工作の場、お友達との交歓の場等になり、保育士と保護者とのやりとりも、衆人環視の許で公開される点で、非常に効果的な応接空間だ。雨の日に窓ガラスの内側にいて、ではなく、全身を外気にさらして雨落ちを目の前にしながら、しっとりとした空気を味わえる幅広の縁側は、「雨っていいな。」と雨を受け容れさせてくれる優しい装置だ。そこは家の外だが、安心の家の延長空間

③ 畑沢小学区学童保育所「鯨クラブ」のデッキ

 市内の学童保育所の濡れ縁としては、最高のもの。風通し、見晴らし、居心地(奥行き2㍍・床板2.5㌢厚・屋根付き)共に素晴らしい。室内でありながら屋外でもあるという、濡れ縁の良さを満喫できる「デッキ」。晴れでも雨でも、ゆったりとした時を送れる。緑と広い庭に囲まれて、誰もが深呼吸をしながら、安心と生きる精気を充填できる。ご縁により建物は社会館が作り、NPOキッズ畑沢に移管した。なお施工は木更津の谷口工務店によったものであり、贅沢な「デッキ」部分は谷口工務店社長谷口彰嗣氏からのリッチな寄付であった。

 子供達を引きこもらせない最良の装置が、内外に開かれた濡れ縁・デッキであることは明らか。「断熱効果」「密閉機能」などに気をとられて、肝心の子供達の精神が、密閉断熱型になっているのが現代日本。子供達の心を、世界に向けて全開させよう。世界に打って出る精神を涵養しよう。

④ 子育てセンターゆりかもめ東清分館 「明るい空:全部が私と子供達のもの!」

縁側50センチ 濡れ縁2メートル。分厚い杉板を敷き詰めたら豪華な応接デッキ。
縁側50センチ 濡れ縁2メートル。分厚い杉板を敷き詰めたら豪華な応接デッキ。

厚さ3センチの杉板を敷き詰めてコンクリート面から30センチほど高くして貰ったら、とても見晴らしがよいデッキになった。屋根がついている奥行き2㍍の空間が、濡れ縁。そこに更に、靴を履いたまま座れる縁側もつけた。デッキへの踏み台も兼ねるワンクッション。室内でもない外でもない不思議な安息空間:濡れ縁・縁側。人と繋がる場所。こんなところで子供を抱っこすることの幸せ感を味わえるのが、「ゆりかもめ」東清分館。目の前は緑と空だけ。「エゴまる見えの高層ビル」が視野にないという、優しくも幸せな東清分館。空気がおいしい安息の場所。

⑤ 木二小学区学童保育所ポプラクラブ 縁側 奥行き50センチ:まさに外と中の中間。

学童保育所ポプラクラブに縁側をつけた。縁側があると家の中にいても心落ち着く。窓の外にも部屋が続いているようで、心安らぐ。部屋の内外が繋がっているようで、部屋が広く感じられるからだ。

実際、どのように使うかは、子供達が決める。通路にも、団欒の場にも、外を眺めるにも、自在に使える中間地帯。

今の日本家屋にこの中間地帯がない。外を拒否している?交際を疎んじている?ポプラの子供達は、中間地帯を当たり前に乗り越えていく。誰かが外からやってくることを警戒せず拒否しない。知らない人にまず挨拶をする好奇心一杯の子供達。